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  • 執筆者の写真三焦はり院

腰痛がくせになっている状態は好ましくありません。

腰痛がくせになる?

よく腰痛がくせになってしまった、、、という言葉を聞きます。比較的年齢の若い方は、ギックリ腰(急性腰痛症、主に筋・筋膜の損傷が多い)が多い印象ですが、高齢の方が腰痛を繰り返すような場合は「慢性腰痛(骨に異常がある場合も)」の場合が多い印象です。


一般的に腰痛がくせになるような場合は、何かしらの原因が存在します。


例えば、、、

若年者:

・もとから筋肉量が少ない

・デスクワークなどで腰に負担がかかっている

・日頃から激しいスポーツなどを行っている

etc...

※体質や環境によるものが多い


高齢者:

・年齢ととも筋肉量が落ち、骨に負担がかかっている

・ホルモンバランスが崩れ、骨粗しょう症になっている

・圧迫骨折の既往歴がある

etc...

※加齢によるものが多い


年齢が比較的若く、腰痛を繰り返す場合は、前述のとおり、体質や環境が発症原因になっている可能性が高いと言えます。


筋力がない場合は、筋力をつけて腰痛を起こさないような体作りをしたり、環境によって腰痛が起こるような場合は、日頃からケアをすることが重要です。


高齢者の場合は、骨粗しょう症などからくる圧迫骨折や加齢に伴う変形などからくる「慢性腰痛」が「痛み」の原因になっている可能性が高いと言えます。


高齢の場合でも出来る限り筋力を維持し負担を軽減するとともに、無理のない姿勢や日常生活を心がけることが重要です。


腰痛がくせになったときは、、、

若い方でも年齢を過信せずに、一度検査をしてみましょう。ぎっくり腰は数日から数週間で治る場合がほとんどです。数ヶ月に渡って痛みが続くことはあまりありません。そういった場合は、腰椎が変形している可能性があります。とくに労働環境やスポーツなどで腰に負担がかかりやすい場合は注意が必要です。


高齢の方に多いですが、痛み以外に「歩いているとつらくて休憩したくなる」であったり、「太ももやお尻、ふくらはぎの方まで痛みが走る」であったり、「排尿・排便がコントロール」できないといった神経症状が出てしまっている場合は、すぐにでも検査を受けて下さい。


そのほかに、痛みや神経症状などは、朝起き掛けが一番症状がでやすく、動いている間に痛みがとれていくことがあります。動いていれば症状が治まるからといって放置はしないようにしましょう。


継続したケアが重要

高齢者の「慢性腰痛」は、「変形性腰椎症」「脊柱管狭窄症」「腰椎圧迫骨折」などの骨の変形に伴う腰痛が多い印象です。


レントゲンをとると、背骨がゆがんでいたり、神経のとおり道が細くなっていたりといったことが多々あります。こういった骨の変形は自然に治ることはありません。そのため、筋力強化や(鍼などで)血流改善などを行いケアをし続けていく必要があります。


鍼などを受けて痛みが消失した場合でも、完全に治った(変形がもとどおりになって痛みが取れた)わけではなく、血流改善によって症状がコントロールされている状況です。よくある話ですが、痛みがおさまったからといって、ケアをおろそかにすると痛みが再発する可能性が高くなります。場合によっては悪化することもあり、注意が必要です。


若い方でも、体質や環境によっては、過度な負担によって変形などが早くから出てきます。そういった場合は早期からケアをしていく必要があります。


鍼による腰痛ケアの利点(健康保険利用も可能)

鍼は「局所注射(トリガーポイント注射)」よりもよく効くという報告がされています。また、鍼は「薬との飲み合わせ」や「胃腸障害などの副作用」「腎臓や肝臓への負担」もありません。


また、「腰痛症」は健康保険利用の適応症です。6ヶ月ごとに医師の同意書が必要ですが、実質154円~(1割)となっており、継続したケアが可能です。


とくに、何らかの理由で薬物療法が継続できない場合(胃腸障害・肝機能障害など)や、鍼が著効しているような場合はとくにおすすめです。


なかには、鍼は怖いという方もいるかと思いますが、鍼の太さは注射器とは違い「髪の毛程度の細さ」でできています。そのため、無痛ではありませんが、強烈な痛みを伴うということはありません。思ったよりも痛くなかったという方がほとんどだと思います。


また、坐骨神経痛のような神経症状がでている場合は、鍼先を神経近傍まで到達させることによって血流が改善し、痛みが軽減されるといった現象が起きます。一般的に75mm~90mm程度の鍼が必要となるため、表面から撫で擦ったりするよりも効率よく血流改善が可能です。


最後に

腰痛がくせになっていることは決してよいことではありません。腰痛は日常生活に大きな影響をおよぼします。日頃からケアをしながら予防を心がけるとともに、「腰痛もち」になってしまった場合は早めの検査やケアが必要です。

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